SaaS営業の年収はネット上に断片的な情報が散らばっており、自分が今どのレンジに属し次のステップでどこを狙えるかが見えにくいのが実情です。本記事では、SaaS営業の年収を3つのレイヤー(IS/FS/Enterprise)× 4つの企業ステージ × 5つの職位で立体的に整理し、インセンティブ構造・ストックオプションの考え方まで含めた完全ガイドを提供します。
SaaS営業の3つのレイヤー(IS / FS / Enterprise Sales)
インサイドセールス(IS)
マーケティングが獲得したリードに対して、電話・メール・オンライン面談で初期接触し、商談機会を創出する役割。SaaS業界の急成長と共に求人が爆発的に増加しているレイヤー。
フィールドセールス(FS)
ISから引き継いだ商談を、提案書作成・デモ・価格交渉・クロージングまで一貫して担当。中堅企業(50-1,000人規模)の顧客が中心で、商談あたりの単価は数百万〜数千万円規模。
エンタープライズセールス
大企業(1,000人以上)を担当し、複数の意思決定者との関係構築、複数年契約の交渉。商談単価は数千万〜億円規模、商談期間は6〜18ヶ月以上。SaaS営業で最も年収が高い。
レイヤー別年収レンジ
インサイドセールス(IS)
| 職位 | スタートアップ | グロース期 | 上場SaaS | 外資SaaS |
|---|---|---|---|---|
| 未経験〜1年 | 400-500万 | 450-550万 | 500-600万 | 550-700万 |
| 2-3年 | 500-650万 | 550-700万 | 600-750万 | 700-900万 |
| シニアIS | 650-800万 | 700-850万 | 750-900万 | 900-1,200万 |
| ISマネージャー | 800-1,000万 | 850-1,100万 | 900-1,200万 | 1,100-1,500万 |
フィールドセールス(FS)
| 職位 | スタートアップ | グロース期 | 上場SaaS | 外資SaaS |
|---|---|---|---|---|
| FS(経験2-4年) | 550-750万 | 600-850万 | 650-900万 | 800-1,200万 |
| シニアFS | 750-1,000万 | 800-1,100万 | 900-1,200万 | 1,200-1,600万 |
| FSマネージャー | 900-1,200万 | 1,000-1,400万 | 1,100-1,500万 | 1,400-2,000万 |
エンタープライズセールス
| 職位 | スタートアップ | グロース期 | 上場SaaS | 外資SaaS |
|---|---|---|---|---|
| エンタープライズ営業 | 800-1,100万 | 900-1,300万 | 1,000-1,500万 | 1,300-2,000万 |
| シニアエンタープライズ | 1,000-1,400万 | 1,200-1,600万 | 1,300-1,800万 | 1,600-2,500万 |
| エンタープライズマネージャー | 1,300-1,800万 | 1,500-2,000万 | 1,600-2,200万 | 2,000-3,000万+ |
営業組織の経営層
| 職位 | スタートアップ | グロース期 | 上場SaaS | 外資SaaS |
|---|---|---|---|---|
| VP of Sales | 1,400-2,000万 + SO | 1,600-2,500万 + SO | 1,800-3,000万 + RSU | 2,500-5,000万 + RSU |
| CRO(最高収益責任者) | 1,800-3,000万 + SO | 2,500-4,000万 + SO | 3,000-5,000万 + RSU | 5,000万-1億 + RSU |
※SO = ストックオプション、RSU = 譲渡制限付株式ユニット。年収レンジは2026年5月時点の公開求人情報・転職市場での実績データを基に当サイトが整理した概算値です。
インセンティブ構造(基本給+OTE+SO)の見方
OTE(On-Target Earnings)の意味
| レイヤー | 基本給:インセンティブ比率 | OTE 800万の場合の内訳 |
|---|---|---|
| IS | 70:30〜80:20 | 基本給 560-640万 + OTE達成時 160-240万 |
| FS | 60:40〜70:30 | 基本給 480-560万 + OTE達成時 240-320万 |
| Enterprise | 50:50〜60:40 | 基本給 400-480万 + OTE達成時 320-400万 |
ストックオプション(SO)の評価の難しさ
非上場SaaSスタートアップのSO付与は「期待値」として捉え、基本給+OTEの現金部分で生活と将来設計が成り立つことを最低条件にすべき。
達成率による報酬変動
多くのSaaS企業では達成率100%を超えると倍率がかかり(例:120%達成で1.5倍、150%達成で2倍)、トップパフォーマーはOTEの2-3倍を稼ぐことも。逆に達成率70%以下が続くとPIP(業績改善計画)に乗せられ、退職を促されることも。
年収を上げる5つの実践戦略
戦略1: より大きな単価帯のレイヤーに移る – IS → FS → Enterprise と単価帯を上げるのが最も確実。各レイヤー間の年収差は200-500万円。
戦略2: 成長中のSaaS企業(ARR 30-100億)にジャンプ – シリーズC〜Dのグロース期は組織拡大期で「上のポジション」が急速に空く時期。
戦略3: 外資SaaS日本法人を狙う – 英語スキルがあれば外資SaaSの年収レンジは国内SaaSの1.2-1.5倍。
戦略4: SDR/BDR出身者ならではのキャリア戦略 – IS出身でFSにステップアップする際、立ち上げた商談プロセスやデータ分析スキルを武器に「即戦力FS」として転職。
戦略5: マネジメントへの転身タイミング – 個人成績がトップ層に到達した後、マネジメント経験を積むことでCRO・VP層へのキャリアパスが開ける。
SaaS営業転職時に確認すべき5つの質問
| 質問 | 確認すべき理由 |
|---|---|
| OTEの基本給とインセンティブの内訳は? | 達成率に応じた変動幅を把握 |
| 過去2年間のチーム平均達成率は? | 達成率100%が現実的か非現実的か |
| SOの権利行使条件と上場時期の見立ては? | SOの実質的な価値を判断 |
| 社内のキャリアパス事例(過去3年)は? | マネジメント・他職種転身の実績有無 |
| 離職率と直近1年の退職理由TOP3は? | 組織のヘルススコア |
結論:あなたの次のキャリアステップ
| 現在の状況 | 狙うべき次のステップ | 想定年収アップ幅 |
|---|---|---|
| IS未経験〜1年 | シニアIS or FS転身 | +100-200万 |
| シニアIS | FS or グロース期SaaSのIS | +150-300万 |
| FS(経験2-4年) | シニアFS or エンタープライズ | +200-400万 |
| シニアFS | FSマネージャー or 外資SaaSのFS | +200-500万 |
| FSマネージャー | VP of Sales or CRO候補 | +300-1,000万 |
よくある質問
Q1. SaaS営業未経験でも転職できますか?
A1. 未経験ISは多数の求人があり、「BtoB営業経験あり」「無形商材営業経験あり」「コンサル経験あり」のいずれかがあれば応募可能。マーキャリNEXT CAREERや9Eキャリアなど未経験向けエージェントを利用するのが効率的。
Q2. ストックオプションの評価額が高い案件を見極めるには?
A2. ①直近のシリーズ調達ラウンドでのバリュエーション、②上場までの想定期間、③上場時のExit倍率の見立て、を確認する必要あり。現金報酬ベースで生活が成り立つことが大前提。
本記事は2026年5月時点の公開求人情報・doda転職レポート・ビズリーチの公開レンジ・各SaaS企業のIR情報を基に作成しています。SelectNavis 編集部

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